都内のタクシー会社で乗務員として働いていました。その経験談を基に、これからタクシー業界へ一歩踏み出そうとしているあなたへ参考になればと思います。
今回タクシー業界へ転職した経緯と実際に仕事(乗務)を始めるまでに苦労した事を書かせて頂きます。
埼玉の営配職から都内のタクシーに転職した理由
私は、元々、埼玉県で営業・配達の仕事をしていました。当時は朝早く、夜も営業から帰ってきて資料作成やまとめをしたりするので、残業せずに帰宅した記憶はほぼありません。
その労力と比べると給料は妥当ではないと思っていましたし、周囲の友人と比べても納得いく金額ではありませんでした。
そんな中、20代後半の時に友人からタクシー業界への誘いがありました。
話をもらった時の私のタクシー業界への印象は、年配の方がしている。高収入ではない。ずっと都内を走っていて働き方が見えなく怖い、というものでした。
しかし、実際に友人から話を聞くと、自分よりものびのびと働いている。そして、給料も自分と比べたら格段に高かった為、今の自分の人生を変える為に転職に踏み出すきっかけとなりました。
誘われたときは私は埼玉に住んでいましたが、友人が都内のタクシー会社に就職していた為、一緒に都内で働かないかと誘われたことも人生を変える第一歩の環境を変える理由となりました。
転職するまでの経緯
タクシー業界の転職ってどうやってするのかと疑問に思っていましたが、面接は通常の一般業界と同様にスーツを着て、面接当日に履歴書を提出をするといったものでした。
面談回数としては、自分の勤務予定地の職場の人事の方と面談を2回するだけでした。
合否結果は、その後すぐに電話で連絡を頂き、苦労することなく転職する事が出来ました。
転職後の苦労
先程書いたように、転職するまでに苦労した記憶はありません。
しかし、転職後直ぐにタクシー運転手として稼げると思っていましたが、実際は違っており、私にとって苦労するポイントでした。
また、すぐにタクシー運転手として稼ぐことが出来なかった為、予想していた収入を得るまでに時間がかかりました。
理由は、タクシー運転手になる為の2種免許証の取得になります。
免許証を取得するに当たり、2種も1種も同様で教習所に通う必要があります。
その教習所では、免許証取得には最短でも数週間かかりました。
内容も1種と2種で大差はなく筆記と実技があり、内容は1種の試験範囲に2種の試験内容が加わったものになります。
2種の筆記試験では代表的な道路や地名を覚える必要があり、私を含めて東京は道と建物が多いため、覚えるのに苦労する人が多かったです。
免許センターでは深視力という試験の受講が必要になります。
それは空間認識能力を試験する内容で、箱を覗き込むと3本の黒い棒が横に並んでおり真ん中の棒が前後に動いています。
左右の棒と同じ位置に真ん中の棒が来たらボタンを押して止める。という単純な試験内容ですが、普段は実施しない試験であり慣れないので距離感がつかめない為、その試験を合格する事にも苦労しました。
無事に試験を受けたあとは、改めてタクシー会社の研修と上司を乗せた実地練習を1,2回実施してから本番のタクシー乗務をすることができました。
タクシーは、お客様も優しく道を教えて頂いたり、お客様指示でカーナビを使用するので困るような事はほとんどありませんでした。
さて、第二種免許取得までの流れは理解したが、取得するまでのお金はどうなるのか、と心配されるかもしれません。
私の場合は、タクシー会社が免許取得までのお金を出してくれました。
そのため、自分が免許を取りに行く自動車教習所は、会社側が選ぶので自分の家の近くとは限らず、私の場合は自宅から教習所まで電車とバスを乗り継いて一時間半程かかりました。
お金を自分で用意せず身一つで教習所に行けば免許を取ることは出来ました。
しかし、会社を一年以内に退職するとそのお金を会社に支払わなくてはいけなくなります。
一年以内に辞めてしまった友人が実際におりましたが、タクシー乗務員として約一年程務めていたのでそこまで痛手ではなかったようです。
タクシー運転手へ転職して得られたものとリスク
ここまで経緯や苦労した点を書かせていただきましたが、タクシー運転手をして良かった点は1回あたりの勤務時間は長い分、就業時間は厳しく決められている為、長時間残業をすることが難しいので時間通りに業務を行えた事です。
時間通りの業務という事で、時間の融通が効きやすいので自分の時間が前職以上に増えました。
また、限られた時間の中で頑張り次第で高給を目指せるといった点が私が転職するきっかけとなった理由でしたが、それもかなえられました。
一方リスクとしては、免許証の紛失でタクシー運転手が出来なくなるという事が挙げられます。
同僚で免停となり運転手として働けなくなった人がおります。
”免停になったから解雇”はなかったのですが、仕事内容はタクシー乗り場での扉を開ける仕事や事務員となります。その仕事の場合は、歩合制ではなくなるので運転手と違い給料もタクシー運転手程望めなくなります。また、勤務時間も会社員と同様に平日日勤帯での勤務となります。
私自身は、免停になったことはありませんが、タクシーの違反については厳しい目で見られているため、違反をしたことはあります。
交差点で動き出す前に携帯をみて、動き出しに合わせて携帯を閉まったはずですが、その姿を交差点の真ん中で交通整理をしていた警察官に見られ、違反となり1点のマイナスとなり、自身のゴールド期間も終了を迎えました。
まとめ
タクシー運転手に転職するまでの経緯と転職して得られたものとリスクについて触れさせて頂きました。
転職してから実際にタクシー運転手になるまでに苦労はしましたが、違反はしたものの大きな事故はなかった為に快適なタクシー運転手生活を幸いにも送る事が出来ました。
友人の中には、違反による点数の合計が免停ラインを超えた為、免許が戻ってくるまで事務員やタクシー停留所でタクシーの扉を開ける仕事についていた人もおります。
免停が終わると無事にタクシー乗務員に戻ってきて働きバリバリに稼いでおり、事務所内でトップ10に入る程の稼ぎ頭になった人もいました。
また、退職はしなかったものの追突事故など会社への迷惑度を考えて、社会的には免停ではあるが、不適合と感じ自己退社を考える同僚もいましたが、普段からの勤務姿勢を評価され、事務員さんに説得され免停が明けるまで事務職になる人もいました。
そのため、人によっては精神力も試されたり、鍛えられる職種とはなっております。
振り返ってみると、最初、友人から誘いを受けて人生を変えたいと思っていた事は叶えられたかと思います。
私が人生変えたいと思った前職は最初の会社であったこともあり思い入れがありましたし、事務所の人達にも文句はありませんでした。
しかし、裕福な給料を貰えていたわけではなく、かつ、平日は仕事に縛られて仕事中心で窮屈な生活を強いられておりました。
そんな中、タクシー運転手というのは一回の勤務時間は確かに長いですが、残業もなく、仕事面では自分の頑張り次第で収入は上げられます。
私の場合に置き換えると、自分が初めてのタクシー会社勤務だった為、最初の数ヶ月は給与保証がありました。
そのため、勤務初めから給与としては前職を超える金額を頂き、その保証期間中に第二種免許を取得しタクシー乗務員デビューを迎えましたので、金額が落ちる事はありませんでした。
仕事以外に自分の時間も確保しやすく、同僚でバーベキューをしたり、プライベートな時間も充実していました。
タクシーは、外に出たら1人でやる孤独な仕事ではありますが、やった分ちゃんと自分に反映されるやりがいのある仕事ですので、悩んでいるなら是非一度タクシー業界を体験してみてください。
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