小さいころからの夢だった小学校の教師となったが、実際の学校現場では思い描いていたような仕事ではなく、心身ともに疲れてしまった男性が、タクシー運転手との出会いをきっかけにタクシー運転手に転職をしたという体験談です。
小さいころからの夢だった小学校の教師になるも現実との相違に失望
タクシー運転手をする前の仕事は、小学校の教師をでした。小学校の教師となるのは小さいことからの夢で、それを実現するために頑張って勉強をしてきました。大学で教員免許を取得し、小学校の採用試験に合格し、採用が決まった時は、涙を流すくらいうれしかったことを思い出します。
小学校の教師となって、たくさんの子供たちと過ごすことを夢見ていた
小学校の教師を希望した理由は、たくさんの子供達と一緒に勉強したり、何かを作り上げたり、休み時間や放課後はドッジボールやサッカーなどで遊びたいと考えていたからです。
しかし、採用され、勤務する学校が決まり、校長などから学校の歴史や一日の勤務の流れなどの説明を受けた時点で自分の思い浮かべていた教師の仕事とはかけ離れたものがありました。
朝、出勤すると教室に行く前から職員会議などが設定されており、休み時間になると慌ただしく同じ学年の同僚との打ち合わせがありました。子供達と遊ぶどころか、一人ひとりの顔さえもしっかり見る時間がありません。放課後も、研究授業の打ち合わせや職員会議や出張などが連日あるので、子供達とドッジボールなどは一度も出来ませんでした。
雑務の多さに心身ともに疲れてしまった時に乗ったタクシーが転職のきっかけ
子供達との様々な体験を通して子供たちの成長とともに私自身も人間的に成長出来たらと考えていましたが、雑務の多さに心身ともに疲れ果ててしまいました。そのような時、出張の帰りに駅からタクシーに乗ると、乗務員の方から、何だかすごく疲れているみたいだね、と声をかけてくれました。そして、降りるまでの間いろいろな話をしてくれ気持ちが楽になっていました。
この時に、タクシー運転手の仕事をしてみたいと考え、タクシーの運転手を目指すことにしました。運転には少し自信がありましたが、二種免許の取得には苦労をしました。それでも何とか二種免許を取得し、勤務する会社で接客や車の機器の操作方法などの研修を受け、タクシーの運転手として仕事を始めることができました。
タクシー運転手の仕事にはやりがいを感じる
初めて乗車してくれたお客様に、運転上手だね、今度もよろしくね、と言われた時は本当にうれしかったです。小さいころから小学校の先生になった自分しか想像ができていませんでした。まさか、タクシーの運転手になるとは微塵も考えていませんでした。
しかし、今となっては、学校の教師という仕事の経験をしたうえで、タクシー運転手となり、本当に良かったと思っています。私があの日、タクシーに乗ったことで人生が変わったように、学校の教師でなくても、他人にとって何かのきっかけを与えることができると思っています。
前職よりも勤務時間が少し長くなり大変ですが、お客様を目的地まで安全に送り届けることを第一に考え、その移動時間をお客さまにとって少しでも有意義に過ごしてもらえるように考えて仕事をしています。本当にやりがいのある仕事だと思っていますので、これからも頑張っていきたいと思います。
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