タクシー王子こと、日本交通の川鍋 一朗会長が2008年に書かれた本。社長(当時川鍋さんは社長に就かれていた。)がガチでタクシー営業を1ヶ月やってみたという実録でなかなか面白かった。タクシー営業の細かいところまでが書かれている印象。読み物としても読みやすく一気に読んでしまった。
- チップを渡された時の感激
- 万収(1回の乗車で1万円以上払ってもらえること)の有り難さ
- 東京の地図を覚える事の大変さ
- 夜の銀座はタクシーも大変というお話
- マッキンゼーで、周りが優秀すぎて劣等感を感じたという話
- タクシー営業をハックして営業収入を上げようとする努力
読み込んでみると、ITを使ってタクシーをより便利なものにして、顧客体験や従業員体験を高めようと努力されているのが伝わってきた。
そんなだったから、以前からタクシー業界のIT化を進めてきた川鍋さんが立場上、ライドシェア推進勢力と戦わねばならないのは何とも皮肉だなぁと思った。
「守旧派」と呼ばれても信念貫く 日本交通・川鍋会長|日経ビジネス
タクシーが全然来ないのに「ライドシェア」が解禁されないのは誰のせい?|アゴラ
昔日本交通さんに営業でお伺いしたことがあり(正しくは当時のJapanTaxiさん。実は私はその前に日交データサービスにもお伺いしていたのだが。)、川鍋さんを遠くからお見かけしたのは良い思い出。遠くからでも分かるスラッとした長身の男性でした。
最大のタクシー会社の会長であり、今のライドシェア解禁論の高まりの中でなかなか難しい立場におられるのかもしれない。ただ、モビリティ業界のキーパーソンのお一人であることは間違いない。今後もフォローさせてもらいたいと思う。
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