日本版ライドシェアに対応しているタクシー配車サービスの一つがソニーグループ系のS.RIDE。同社は、日本版ライドシェア解禁に際し、タクシー業界との連携を強化し、既存のタクシー配車サービスと並行してライドシェアサービスを提供する方針を明確にしている。S.RIDEの日本版ライドシェアへの取り組みについて分かっていることを書いてみたい。
S.RIDEの強み
豊富なタクシーネットワーク:
S.RIDEは、全国47都道府県で148のタクシー会社と提携し、約2万6000台のタクシーをネットワークしている。この強固な基盤を活用し、ライドシェアサービスにおいてもスムーズな配車を実現できる可能性がある。
ユーザーフレンドリーなアプリ:
S.RIDEアプリは、シンプルで使いやすいインターフェースが特徴。タクシー配車だけでなく、事前確定運賃やキャッシュレス決済など、便利な機能も充実している。このアプリの利便性を活かし、ライドシェアサービスにおいてもシームレスなユーザー体験を提供することが期待される。
日本版ライドシェアにおけるS.RIDEの戦略
タクシー会社との連携:
S.RIDEは、ライドシェアサービスにおいてもタクシー会社との連携を重視している(国際自動車および大和自動車交通と提携してサービスを開始。)。
タクシー会社に所属するドライバーがライドシェアサービスを提供することで、安全性の確保やドライバーの質の向上を目指している。
サービスエリアの拡大:
当面は、ライドシェアサービスは限定地域での提供となるが、S.RIDEは将来的にサービスエリアを拡大していく方針となる(東京23 区および武蔵野市、三鷹市にて4月から開始)。
タクシーネットワークの広さを活かし、全国各地でライドシェアサービスを提供することで、地方の交通課題解決にも貢献したいと考えているとのこと。
多様なニーズに対応:
S.RIDEは、タクシー配車だけでなく、観光タクシーや空港送迎など、多様なニーズに対応するサービスを提供している。ライドシェアサービスにおいても、ユーザーのニーズに合わせた柔軟なサービス展開を目指している。
S.RIDEのライドシェアドライバー募集についてのスタンス
S.RIDEは、ライドシェアドライバーの採用を直接行うというよりは、タクシー会社によるライドシェア導入を支援するというスタンスを取っている。
具体的には、
ドライバー採用サポート:
タクシー会社がライドシェアドライバーを採用する際のサポートプログラムを提供する。
運行管理システムの提供:
ライドシェアサービスに必要な運行管理システムや機器類の貸し出しを行う。
S.RIDEアプリとの連携:
タクシー配車とライドシェア配車をシームレスに切り替えられるよう、S.RIDEアプリのアップデートを行う。
つまり、S.RIDEは自社でライドシェアドライバーを抱えるのではなく、タクシー会社が円滑にライドシェアサービスを開始・運営できるよう、技術面・運用面でサポートしていく方針となる。
S.RIDEの日本版ライドシェアへの対応について書いてみた。追加情報が出次第アップデートしてゆくこととする。