タクシー運転手の人の経歴はさまざまです。今回、30代で大手企業からリストラされてしまい、タクシー運転手に転職した人の体験談です。リストラに遭い自信を失くしていたが、タクシー運転手の仕事を通じて、さまざまな人と出会い、現在では自信を持って家族を養っているという体験談です。
結婚した年に大手企業をリストに遭い地獄を見た
私は大手の企業に勤めていましたがリストラとなり、解雇になってしまいました。ちょうど、その年に結婚をしたので、本当に地獄の時期でした。
リストラにあった瞬間が地獄というよりは、そこからが地獄でした。幸いなことに私は若い頃に両親の援助もあり、分譲マンションを中古で一括で買っていたので住む場所には困らなかったのですが、妻が専業主婦でしたので、私の収入が無くなると本当に収入がゼロになってしまいました。
マンションを持っていて、家賃がいらないと言っても、固定資産税はかかってきますし、食費などの生活費や公共料金などの支払いは発生するので、生計が成り立ちませんでした。なかなか転職も決まらず、いよいよアルバイトを始めるかどうかを真剣に考えました。
仕事が無いまま、翌年には、子供が産まれました。子供が産まれたことは非常に嬉しかった一方で、出産は帝王切開で妻の両親は遠方のため、私が家を出て働くこともできない状況が続きました。
前職がサービス業で運転好きだったのでタクシーの運転手になろうと二種免許を取得
さまざまな業種、職種の仕事への応募をしていましたが、転職先が決まらない状況が1年以上続きました。このままではいけないと思い、自分がどんな仕事に向いているのかということを改めて考えたときに、前職がサービス業だったことと運転が好きであるということからタクシー運転手を目指すことにしました。
そこで、私は両親に援助をお願いし、二種免許の取得をしました。タクシー会社に転職できるかどうかわかない中で、二種免許の取得をするというのは精神的にもきつかったですが、何とか取得することができました。
タクシー運転手の仕事を通じたさまざまな出会いによって自信を取り戻せた
二種免許を取得後にタクシー会社が採用してくれるのかが非常に心配でしたが、思いのほかすんなりと転職先を見つけることができました。
最初は、いろいろな人を乗せるというタクシー運転手の仕事にはかなり不安でしたが、家族を養うためにも、そして、やっと見つけた仕事でしたので一所懸命に頑張りました。そうすることで、私を気に入っていただき、指名もしてもらえるようになりました。
また、お客さんから「お兄さん若いのに大変ですよね。頑張って頂戴ね」とか「うちの家でこんなことがあっていまたいへんなんだよ」とか「面白いお客さんもいれば、よっぱい客もいて大変な仕事ですよね。でも、お互いに頑張りましょう」と言った形の声をいただけるようになりました。
仕事が無い時期に妻の世話をしていた経験が、陣痛の妊婦さんを病院に乗せていく際に役に立ったということもありました。
リストラに遭って最初はタクシー運転手になるということは想像もしていませんでしたし、選択肢の中にもありませんでした。タクシー運転手となったことで一期一会じゃないですが、さまざまな人と出会い、その中で感謝の声をいただいたりすることで、リストラで失った自信が戻ってきたように感じています。
収入面についても、前職より少し下がりましたが、生活していくには十分な金額をいただいています。前職は店舗でのサービス業でしたので、個人の頑張りでの昇給などほとんどなかったのですが、私を指名してくれるお客さんが増えることで少しずつ歩合給も増えてきました。このまま続けていけば、前職の給与を超えることも遠くないと感じています。
最後に、私は二種免許を取得してからタクシー会社への応募をしました。
二種免許をすでに取得していたので、その覚悟が認められて採用いただけたということもありますが、二種免許の取得費用を出してくれるタクシー会社があることを転職後に知りました。二種免許の取得中は免許取得できるかどうかということと、取得したところでタクシー会社が採用してくれるかどうかという2つの不安を抱えて過ごしました。
これからタクシー運転手への転職を考えてる人は二種免許取得サポートのある会社に応募する方が良いと思います。