子育て期間中は、専業主婦をしていた女性が、子供が大学に入学し手が離れたことをきっかけに再就職を考え、再就職先としてタクシー運転手となった体験談です。
子育てが終わった専業主婦が再就職先としてタクシー運転手の仕事を選択
私は、短大を卒業後に地元企業の事務員の仕事をしていました。短大時代から付き合っていた今の主人と結婚を機に主人の住む東京へと移り住みました。結婚をして、すぐに子供ができ、専業主婦をしていました。
子育てが終わり、自分の時間ができたことで老後や孫のためにお金を稼ぎたいと思い再就職を考えるようになりました
2人の子供を育て、2人目が大学に入学をしたことで、自分の時間が持てるようになりました。これまでも短時間のパートなどはしていましたが、本格的に再就職をしたいと思うようになりました。
社会との接点を増やしたいという思いとともに、現実的なこととしては、老後のお金も貯めないといけませんし、長男ももうすぐ結婚するかもしれないという話もあり、まだ見ぬ孫のためにもお金を稼ぎたいと思うようになりました。
ですが、事務員の仕事をしていたのは20年前のことです。当時はパソコンなどを使うことはほとんどありませんでしたが、今ではパソコンを使えないと事務の仕事などはできません。そもそも、40代半ばの職歴の無い女性にとっては仕事の選択肢というのはそれほどありませんでした。
私と同じ境遇の人がタクシー運転手として再就職しているのがテレビで紹介されていた
再就職については、切羽詰っているわけではありませんでしたので、焦りはありませんでしたが、一方でだらだらと仕事探しの状況を続けるのもよくないと思っていました。
そんな時に、私と同じように子育てを終えた女性がタクシー運転手として再就職をしたという話がテレビで紹介されていました。タクシー運転手というのは、求人はよく出ているのは知っていましたが、男性の仕事というイメージがあり、また、ブラックな仕事というイメージもあって求人として目には入ってきていても見ていませんでした。
そのテレビをきっかけに興味を持って、調べてみるとタクシーというのは勤務時間なども厳しく管理されているのでイメージのようなブラックさもなく、最近は女性ドライバーも増えているということでした。
また、男性でしたら収入が歩合ということで本当に稼げるのかどうかということが不安に感じる要素かと思いますが、その点、今まで主人の収入だけでやり繰りができていたので、収入額についてはあまり気にしていませんでした。それよりも家事ができる時間をきちんと取れるのかとか、仕事がストレスにならないかということの方が大事でした。
仕事をする日とプライベート、家事をする日を切り替えれる隔日勤務は理想だと思った
タクシー運転手の勤務は隔日勤務という特殊な勤務体系です。簡単に言うと、1回の出勤で2日分働いて、その分、休みが多いという勤務体系です。ですので、一度出勤すると1日の勤務8時間が2日分と休憩3時間で20時間近くの勤務となります。その代りに休日が月に普通の会社の倍の20日近くあるという形になります。
再就職にあたって不安だったのは、普通に朝に出勤をして夜に帰ってくるという勤務の場合には、仕事を終えてから家事などをしないといけないのが嫌だなと思っていました。
タクシー運転手の勤務体系ですと、働く日とプライベートな日というのが完全に切り替えることができるのは理想だと思いました。
主人も子供も協力してくれることになり、タクシー運転手としての仕事を始めました。
その話をしたところ、主人も子供も最初は驚いていましたが、協力をしてくれることになりました。
主人も子供も私が本当にタクシー運転手の仕事ができるのかは疑っていたみたいです。そもそも雇ってもらえないんじゃないのという雰囲気を感じていました(笑)
それでも子供がインターネットを使って、女性のタクシー運転手がいるというタクシー会社を調べてくれたり、タクシー専門の人材紹介会社があるということを教えてくれたりしました。私も勝手がわからない業界ですので、いくつかのタクシー会社に応募し、タクシー専門の人材紹介会社にも登録しました。
もっと門前払いされるのかと思いきや、総じて好意的な印象を受けました。
▼タクシー専門の人材紹介会社
結果的に、東京都内の自宅から通勤しやすく、すでに同じような子育ての終わった女性が雇用されているタクシー会社に再就職をすることに決めました。
普段から車を運転していたことから二種免許の取得や研修も問題なく終わり、今ではタクシー運転手として働いています。実際に働いてみて、思っていたような生活がおくれております。給料も思っていた以上に稼ぐことができています。ありがたいことに、女性ドライバーだから安心ということで、女性の固定客もたくさん増えてきました。
お客さまの中には、私と同じように子育てを終えてから仕事を再開した方も多くおられます。そんな方とお互いに共感する会話を楽しんでいます。